「西側に設置した孟宗竹の端を通ってミミズを食べ終わった時、父イノシシは30本の孟宗竹が置いてあるところが、僕と争い、敗れ去った餌場だったことに気がついたに違いありません。」

「それで、ついに勝ったと思って、餌場に突進したということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。戦いに勝ったという思いとミミズがいっぱい食べられるという思いで、興奮していたのだと思います。」

「身の毛がよだつような陰の気を発する30本の孟宗竹のことが気にならないほど興奮してしまったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、ミミズを食べた堀跡が、孟宗竹に体をすり寄せないと掘れないようなところに何本もあったのです。」

「それは驚きですね」と町会長。

「人間でもそうですが、あまりに強い陰の物を見ると脳がやられてしまい、陽だと思ってしまうことがあるのです。」

「なるほど」と町会長。

「父イノシシもこれで終わりだな」と思いましたね。

「50センチほどの線しか掘れなくなった父イノシシが、身の毛がよだつような陰の気を発する孟宗竹に体をこすりつけると、寿命が思いきり縮んでしまうのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「しかし、翌日も現れたのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。よく考えると、人間は親が亡くなったとき最も大きな経絡的影響を受けるのですが、実際に、体力が衰えたのを感じるのは、その時点から経絡の連鎖が半年ほど進んだ頃です。」

「なるほど」と町会長。

「ですから、翌日、父イノシシが金モクセイの裏の苔に線を掘りに来たとしても、何の不思議もないのです。」

「翌日来たとき、30本の孟宗竹に近づかなかったのは正気に戻っていたからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕も『やられた』と思ったので、徹底的に調べたら、先ほど言ったように、卓球場の西側と物置の間に設置してある5本の孟宗竹の物置側の陰の気が弱いところから侵入したのです。」

「その後、父イノシシはどうなったのですか」と町会長。

「孟宗竹を少しずらして、物置のところの隙間をふさいだら、思った通り、父イノシシは侵入できなくなりました。」

「なるほど」と町会長。

2021/11/10

<水道後記59>
『ポリエチレン管の融着継手には被害はなかった』という記述を読んだ時、ポリエチレンの配管では継手が最大のリスク要素になると思った。そして、ポリエチレン1種2層管の50メートル巻が売っていないかウェブ上を探し回ったが見つからなかった。

後に、被覆架橋ポリエチレンパイプなら50メートル巻が売っているのに気づき、急ぎ、被覆架橋ポリエチレンパイプの継手の研究を始めたのだが、試しに買った10メートル被覆架橋ポリエチレンパイプが届いた時、『埋設には適していない』と思った。後から届いた各種の継手も埋設を考えたうえで作られているとは思えなかった。埋設できないとすると、冬場に氷点下になる筆者の家では使うことができない。<続く>

2024/10/25